Jリーグ優勝争いは混沌として後半戦へ 町田、鹿島、G大阪、神戸、広島......いずれも不安要素あり (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【鹿島は"らしさ"が戻った戦い方】

 2位の鹿島は今季からランコ・ポポヴィッチ新監督を招聘して戦い方が定まり、ようやく鹿島らしいチームが戻ってきたと言える。守備ではDF植田直通、DF関川郁万、MF知念慶、MF佐野海舟の中央は強固で、とくに知念、佐野のカバー範囲は凄まじいものがある。

 攻撃ではFW鈴木優磨のキープ力を起点に、MF名古新太郎、MF仲間隼斗、FW 師岡柊生らの流動的でダイナミックなカウンターは大きな脅威。さらに相手を押し込んだところへ、DF濃野公人、DF安西幸輝の両サイドバックが攻撃に厚みを加えるのは、実に鹿島らしい。

 懸念があるとすれば選手層の薄さだ。とくにセンターバック(CB)は植田、関川のどちらかが欠けると、その穴を埋めるのは簡単ではない。また、鈴木の決定力やキープ力、ポジショニングセンス、チームに与える影響力などは、唯一無二の存在感で代わりはいない。この3人はここまでほぼ出ずっぱりだが、夏場もこのペースでコンディションをキープできるか。

 さらに佐野の海外移籍の話もある。正直、近年はあまり補強がうまいとは言えない鹿島だが、夏の移籍期間で的確な補強ができるかは、8年ぶりのリーグ優勝には必須だろう。

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