Jリーグ優勝争いは混沌として後半戦へ 町田、鹿島、G大阪、神戸、広島......いずれも不安要素あり (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【神戸、広島は取りこぼす試合が目立つ】

 現在4位の昨年王者・神戸は、ここに来て取りこぼすことが増えてきた。その大きな原因は得点力の低下。第14節から複数得点が取れた試合が一つもなく、3試合で無得点。エースのFW大迫勇也がここまで4得点と、昨季までの活躍にやや陰りが見え始めていることは大きい。

 神戸は前線の大迫、武藤嘉紀をはじめ、タレントの能力を生かして攻め込む、あるいは両サイドバックからのクロス、CKなどのセットプレーなど、とにかくシュートチャンスを数多く作り出し、前のクオリティによって決めきるチームだ。

 ただ、形というよりクオリティに頼る場面が多いだけに下振れることもあり、それによって勝ちきれない、つば迫り合いで負ける試合が続いている。先述したように大迫が直近7試合で無得点なのは、その要因の最たる例だろう。

 とはいえ、堅守は相変わらずで、DFマテウス・トゥーレル、DF山川哲史のCBコンビはとにかく堅い。得点力を取り戻せば、優勝争いに踏みとどまれるはずだ。

 神戸以上にシュートチャンスの数に対して、得点数が割に合っていないのが5位の広島だ。堅守によって3敗と負けの少なさはリーグトップだが、引き分けの数も9つでトップというのは、今の広島をよく表している。

 負傷からFWピエロス・ソティリウが復帰し、ジュビロ磐田戦、東京ヴェルディ戦と2試合連続の2ゴールは見事だったが、その後の3試合で1勝1分1敗と乗りきれない。DF荒木隼人がケガで長期離脱の可能性があり、MF川村拓夢も移籍と明確な補強ポイントがある。これに加え大事なところでの得点部分をなんとかしなければ、トップ3との勝ち点差を埋めるのは難しいだろう。

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