検索

宇佐美貴史が「ありがたい存在」と称えるガンバ躍進の起爆剤、山下諒也が半端ない (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun

 先のW杯アジア2次予選では、友人の小川航基が日本代表に選出されて刺激を受けた。その代表は現在、山下と同じ東京五輪世代のタレントがズラリ。とりわけ、三笘薫、堂安律をはじめ、下の世代となる久保建英もいる2列目は最大の激戦区だ。

「海外でやっている選手には負けたくないですが、リスペクトの気持ちがあります。今はとにかく、自分のよさを毎試合出し続けることが重要。それを継続していけば、いずれ代表も見えてくると思っています」

 日本代表への道を歩むには、プレーのすごさだけでなく、結果も求められる。山下は、ここまで途中出場を含めてリーグ戦9試合に出場している。アシストは2つあるが、得点はゼロだ。チーム自体、17試合で17得点とJ1上位5チームのなかでは最も少ない。今後、ガンバが優勝争いに絡んでいくためにも、自身の代表入りのためにも、得点力アップは欠かせない。

「得点、取りたいですよ。チームが勝つことが一番ですけど、自分が点を取って勝つのが一番いい。早く点を取ってヒーローになれればいいかなと思っています(笑)。ただ、それを意識しすぎてもいけない。チームへの貢献を続けることがゴールにつながると思うので、チャンスシーンにこれからもできるだけ多く顔を出していきたいです」

 サイドから仕掛け、相手をぶっちぎって置き去りにしていく。毎回、「(敵には)絶対に負けない」という強い気持ちで試合に臨み、プレーにはその強気な姿勢がにじみ出ている山下だが、意外にも心配症だという。筋トレができないと「どうしよう......」と不安が生じてしまう。

 実は、横浜FC在籍時の昨年10月に左足の手術をしている。その際、懸命にリハビリに取り組んだが、回復が進まず、アキレス腱痛を発症するなどして、「もう二度とサッカーができないんじゃないか、というぐらい心配した」という。

 そうした苦悩の時を経て、山下は今年4月に復帰。現在はピッチ内の敵陣エリアで躍動している。

「ケガを乗り越えて、今が幸せです。サッカーができるんで(笑)」

 ブレイクの扉が全開するのは間近である。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る