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佐野海舟が昌子源と植田直通から学び、柴崎岳から得たヒント、日本代表で気づいたこと (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

 佐野は日本代表の活動に参加して、自身でも気づいていた「足りないところ」にチャレンジしようとしている。

 初めての日本代表での活動を終えた直後に行なわれたJ1第33節の川崎フロンターレ戦だった。結果は1-3で敗れたが、サウジアラビアから帰国して中1日で先発出場した佐野のプレーには、明らかな変化があった。

「足りないところがわかったからといって、すぐに変わることができるわけではないですけど、チャレンジすることも、失敗することも必要だと思っています。トライしなければ成長できないと思ったので、まずはいろいろなことをやってみることから始めようと思いました」

 明らかな変化として見られたのは、縦への意識だった。ボランチとして自らボールを持ち運ぶことはできるようになっていたが、パスで局面を打開するプレーは限られていた。いわゆる、縦パスである。

 そこがプレーの変化であることはわかっていたが、あえて言及せずに、「具体的には」と問いかけた。

「ゴールにつながるプレーというか。そこをもっと高めないと、チームの勝利にもつながらないし、自分の価値も高まらないと思ったので、そこですかね」

 しびれをきらして、ストレートに聞いた。

 縦に差し込むパスを狙うようになったのは、日本代表の活動が影響しているからかと──。

 すると、佐野は観念したかのように、ほほえみながら言った。

「ないとは言えないですね。そこが自分にとっての最近の課題だったので。攻撃面、それこそパスで局面を打開するプレーの必要性については、日本代表に呼ばれて強く感じました。前から自分に足りないところとして気づいていたし、意識もしていたんですけど、さらに成長するために、トライしなければと思っています」

 縦や斜めに差し込むパスは、通ればチャンスになる一方で、自身がインターセプトを狙っているように、奪われればチームは窮地にさらされる。リスクを伴うため、狙うのも、試みるのも容易ではない。しかし、佐野はチームが勝つために、自身が成長するために、そこに挑もうとしている。

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