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三笘薫、田中碧、板倉滉、旗手怜央...川崎フロンターレのGKチョン・ソンリョンが近くで見てきたサッカー日本代表選手を語る (3ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

【周囲への配慮へ感謝】

 日本でのキャリアがここまで長くなることは本人も想像してこなかった。だからこそ、本人は長く在籍するクラブに強い愛情と感謝を口にする。それは「ピッチ外」のコンビニやエスカレーターで感じた「配慮」への感謝にも通じるものがある。

「フロンターレの雰囲気にも救われてきました。ここの雰囲気は良いですね。自分は外国人選手で、プレーで示さなくてはならないという自覚は常にありますが、それでも入団した時から周囲が日本への適応のために助けてくれた点は忘れてはなりません。

 チームは穏やかな雰囲気のなかに、登里享平のような面白い選手もいる。喧嘩や対立も少ない、本当にすばらしい場所だと思っています」

 ここまでフロンターレで刻んだ出場試合数は240(第33節終了時)。「300試合は出たいな」と思っている。何よりもまず、1年1年をしっかり過ごしていきたい。

 来年の1月4日には39歳になる。プレー年齢のロールモデルは、幼き日に見た2002年W杯世代の自国GKだ。金秉址(キム・ビョンジ)は46歳までプレーした。
(おわり)

チョン・ソンリョン 
鄭成龍/1985年1月4日生まれ。韓国京畿道城南市出身。済州島の西帰浦高校から2003年にKリーグ浦項スティーラースに入団。2008年から城南一和、2011年から水原三星でプレー。2016年に川崎フロンターレに移籍し、クラブの数々のタイトル獲得に貢献。Jリーグベストイレブンにも2度選ばれている(2018、2020年)。韓国代表では2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪に出場。ワールドカップは2010年南アフリカW杯、2014年ブラジルW杯に出場している。

著者プロフィール

  • 吉崎エイジーニョ

    吉崎エイジーニョ (よしざき・えいじーにょ)

    ライター。大阪外国語大学(現阪大外国語学部)朝鮮語科卒。サッカー専門誌で13年間韓国サッカーニュースコラムを連載。その他、韓国語にて韓国媒体での連載歴も。2005年には雑誌連載の体当たり取材によりドイツ10部リーグに1シーズン在籍。13試合出場1ゴールを記録した。著書に当時の経験を「儒教・仏教文化圏とキリスト教文化圏のサッカー観の違い」という切り口で記した「メッシと滅私」(集英社新書)など。北九州市出身。本名は吉崎英治。

【写真】川崎フロンターレチア「フロンタールズ」厳選カット集

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