J2に降格する1チームはどこだ 湘南か横浜FCか? 柏レイソルは残留当確? (3ページ目)

  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

残留争いは横浜FCと湘南の一騎打ち
第33節の直接対決が雌雄を決する一戦

小宮良之氏(スポーツライター)

 残り5節、J2に降格する1チームはどこか?

 そのカギは、単純なチーム戦力にあるかもしれない。

 たとえば、ガンバ大阪は一時、降格圏を這いずり回っていた。それを一気に抜け出すことができたのは、戦術の浸透などではなかった。単純に個々の能力で他を上回っていたのだ。

 柏レイソルにも同じことが言える。彼らはまだ気を抜いたら危険な状況にある順位だが、やはりチーム力で上回る。FW細谷真大、FWマテウス・サヴィオは実力者だし、DFジエゴのケガからの復帰、DF犬飼智也の補強も功を奏し、順位は上昇。天皇杯で決勝に進出しているように、彼らはそもそも残留を争うチームではない。

 結局は、横浜FC、湘南ベルマーレの一騎打ちになるだろう。どちらのチームも、予算規模で苦しい。もともとやりくりをしながらの戦いだったが、横浜FCは小川航基、湘南は町野修斗というエースストライカーの移籍の穴を埋められず、パワーダウンした格好だ。

 横浜FCは5-4-1システムで、森保ジャパンがカタールW杯でドイツ、スペインを撃破した"弱者の兵法"を徹底し、勝ち点を拾っている。一貫した堅守カウンターが、強者に有効な点は興味深い。過去10試合、上位のサンフレッチェ広島、名古屋グランパス、浦和レッズに引き分け、優勝争いをするヴィッセル神戸、横浜F・マリノスに勝利しているのだ。

 一方の湘南は、3-1-4-2という攻撃的編成。得点数は3位の浦和と並ぶ。ハイプレスで積極的に守り、攻める姿勢を示してきた。一時は町野の移籍で勝ち星から見放されるも、FW大橋祐紀の台頭(リーグ戦直近8試合で5得点)で得点力にめどがついた。ただ彼らの場合、リーグ最多タイ失点の守備に不安はあるが......。

 第33節、直接対決が"雌雄を決する"サバイバルマッチになるだろう。

 その行方に関しては、戦力だけでは測れない。さまざまな要素が絡み、最後は神のみぞ知る。運も大きく左右するはずだ。

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