J2に降格する1チームはどこだ 湘南か横浜FCか? 柏レイソルは残留当確? (2ページ目)

  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「降格争い」はマッチレースの様相も
最近の調子で上回る湘南が横浜FCをリード

杉山茂樹氏(スポーツライター)

 残り5試合。降格圏である最下位(横浜FC)と現在、勝ち点差が10ある京都サンガF.C.(15位)は大丈夫だろう。

 勝ち点6差の柏レイソル(16位)しかり。最終ラインに犬飼智也(浦和レッズから移籍)が加わり、チーム力自体がワンランクアップした。17位の湘南ベルマーレ、18位の横浜FCよりサッカーそのものも明らかに上だ。

 湘南か、横浜FCか。勝ち点差は1だ。"降格争い"はマッチレースの様相を呈している。

 最近の調子で上回るのは、湘南だ。4節前(第25節終了時点)まで湘南は横浜FCに4ポイント差をつけられて最下位に沈んでいたが、そこから勝ち点7を上積みし、関係を逆転させた。

 湘南は毎シーズン、リーグ終盤になると決まって見せ場を作る。火事場の馬鹿力ではないが、それこそをチームの持ち味としているかのように、降格の危機に瀕すると、無類の強さを発揮する。たとえば、清水エスパルスなどとは真反対のチーム気質である。今季もいつものシーズンを見るかのような"十八番"の展開になっている。

 とはいえ、サッカーそのものは褒められたものではない。毎シーズン少しずつ悪化している。降格が1チームでなければ、より深刻な状況に陥っていただろう。

 サッカーは相変わらず守備的だが、横浜FCと比較すると終始一貫している分だけ、まとまりを感じさせることも確かだ。

 横浜FCはシーズン前半と戦い方がガラリと一変。攻撃的だったものがどんどん守備的になっている。敗戦を怖がるサッカーをしながら、敗戦を重ねているという悪循環にハマっている。

 痛かったのは、前節の対浦和戦だ。終盤までリードしながら追いつかれ、勝ち点2を失った。リーグ最終盤に向けて弾みがつかずにいる。

 両者の勝ち点差はわずか1ながら、湘南が8対2の関係で横浜FCをリードしているかに見える。

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