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中村憲剛&佐藤寿人が日本代表を目指す若手に提言「U-20W杯で優勝することがゴールじゃない。ここからがスタート」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 たしかに当時は難しかったかもしれないですけど、今は全国各地にJクラブができて、指導者も増えている。そうであれば、力のある子をしっかりと引き上げてほしいんです。

憲剛 高校年代がリーグ戦方式になったのはだいぶ大きいよね。僕が高校生の時は関東大会、インターハイ、選手権しかなかったので、試合数が本当に少なかったなと。今、思うと、試合に出られない子は目標を持つことが難しい時代だった。

 だけど、今はプレミアリーグ、プリンスリーグ、各都道府県リーグができて、東京都だったら4部リーグくらいまであるから、多くの選手たちが試合に関われるようになってきた。だから、網目はかなり細かくなっているのは間違いないし、拾い上げる人数も増えている。

 だけど、広がったぶん、絶対的に見る側の数が足りないんですよ。指導者によって判断基準も違うから、なかなかすべてを網羅するのは難しい。

寿人 指導者の目も問われるんですよね。また僕の話ですけど、僕が初めてU-16に呼ばれた時は、正規のルートじゃなかったんですよ。

 国体の千葉県選抜の練習会に行った時に、「明日から鴨川でU-16の合宿があるから行ってこい」と急に言われて。行ってこいと言っても、呼ばれてないのに行くわけにはいかないじゃないですか。

 でも、ジェフのアカデミーのコーチだった加藤好男さんが「一度(佐藤寿人を)見てほしい」と言ってくれたらしく、合宿に参加することができたんです。それでトレーニングして、ゲームをして、結果を出したら、次からも呼んでくれた。だけど、好男さんのひと声がなかったら、僕はU-16代表には入れなかったわけなんです。

 僕は運がよかったですけど、実力があるのに選ばれなかった選手はたくさんいたと思う。だからもっといろんな目で、幅広く見てジャッジして、いろんな選手にチャンスが生まれるような形になっていかないといけないと思います。

憲剛 中学・高校くらいだとチームの数も選手の数も多いから、代表のコーチングスタッフの皆さんだけでは当然、見きれない。本当は直接見て、そこで判断するのが一番いいんだけど、すべてを現地で見ることは物理的に不可能だから、各地域の指導者の情報も重要になってくる。

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