中村憲剛&佐藤寿人が日本代表を目指す若手に提言「U-20W杯で優勝することがゴールじゃない。ここからがスタート」 (2ページ目)
憲剛 そうか、まだチーム数が多くなかったから当時は、J1にいることが当たり前だったんだ。
寿人 J2で経験を積むという流れは、まだそんなになかったと思います。僕もセレッソに行ったのは2002年ですから。
憲剛 今はこの世代でもどんどん海外に行けるようになってきて、育成年代の強化という観点では、海外から日本の若手選手は評価され始めているのかなと。佐野航大は岡山からオランダ(NEC)に行ったし、松田隼風も水戸からドイツ(ハノーファー)に行って。世代はひとつ上ですけど、佐藤恵允は大学(明治大)からブレーメンですからね。
寿人 でも、行ってからじゃないですか。
憲剛 そうなんだよね。戻ってきている選手もけっこういるし。
寿人 留学みたいな感じですよね。だから、海外に行く選手が増えたからと言っても、育成の成功とはならないと思うんですよ。僕らの頃と今とでは、時代も違いますから。
憲剛 日本人を見る目がオープンになっているからね。即戦力ではなく、いろんな可能性を秘めた移籍も増えている。寿人が言うように、行くだけじゃダメだよね。行って、活躍したら、成功になる。行ってそこから這い上がっていく──という強い意志がないとダメなんだと思います。
鎌田(大地/現ラツィオ)、遠藤(航/現リバプール)、富安(健洋/現アーセナル)もそうだけど、まずベルギー(シント・トロイデン)で結果を出したからこそ、ステップアップを実現できた。行きさえすれば、チャンスは間違いなく広がる。でも、そのチャンスを掴めるか、掴めないかは自分次第なんだろうなと。
寿人 海外に人材が流出しているということは、国内でそこのポジションが空くわけじゃないですか。そういう意味では、若い年代が台頭しやすい状況にあるはずなんですけど、実際はそこまで出てきていないという感じがするんですよね。
── 若手が伸び悩んでいると?
憲剛 言うほど伸び悩んでいる? たしかにU-20代表は結果を出せませんでしたけど、それだけで判断するのはどうなのかなと。
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