中村憲剛と佐藤寿人が若手の海外移籍を再び議論「超高校級と言われようが...」「J1のピッチに立たないと...」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 浦和レッズとやった時は、相手に井原(正巳)さんがいましたからね。プロでまだ何も成し遂げていない18歳の選手が、日の丸をつけてきた選手と対峙できるというのは、公式戦ではないけど間違いなく大きな経験になりました。

 しかも、サテライトリーグは年間を通してやっていて、会場もちゃんとしたスタジアムでしたし、順位もつけていた。シーズンを通して、目的を持ってやれたことは大きかったと思います。

── 先ほど憲剛さんもおっしゃっていましたけど、Jリーグで出られないなら大学に行って経験を積んだほうがいい、という流れになっていますよね。

憲剛 (三笘)薫や守田(英正)など大卒(三笘=筑波大、守田=流通経済大)からでもヨーロッパに行ける時代になったのも、その流れに拍車をかけていると思います。大卒から直接、海外に行く選手も出てきていますから。

 つい数年前までは、考えられない現象です。いろんなルートが開通し始めているんですよね。

寿人 ヨーロッパの人たちからすれば、「大学って何?」って感じでしょうね。

憲剛 大学でも選手を育成できる懐(ふところ)の広さというか、選択肢の多さというのは、日本ならではの文化だと思います。

 今までだったら、大学に行ったらプロでは年齢的にも後れを取ってしまうし、大成できないという雰囲気だったけど、今はむしろ「大学に行って成長したい」という選手が増えてきた。そこは完全に変わったし、新しい流れが生まれてきているのは間違いないです。

寿人 大学に行くと、プレーヤーとしての強度もそうだし、人間性というところでも経験値が上がって、プロに入ったあとでも生きる部分があるんでしょうね。

憲剛 大学出身者(中央大学卒)としては、それは感じるところ。高校までは管理されたなかで切磋琢磨する。でも、大学はある種、自分次第。もちろん大学でも管理される部分はあるけど、高校の時のようにかっちりとではなくて、ある程度、自由ななかで自立性が育まれるし、なかには学生主導でやっているチームもある。

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