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中村憲剛と佐藤寿人が若手の海外移籍を再び議論「超高校級と言われようが...」「J1のピッチに立たないと...」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 マネジメントの部分も含めて、どうやって自分たちでチームを作っていくかを考え・養える期間が4年あるんだよね。高校の時には経験できないことを大学では経験できる。社会性とか、協調性とか、順応性とかが養われて、それを4年間かけて身につけた状態でプロに入れるのは、大卒のメリットだと思いますよ。

寿人 以前は、早くプロの世界に身を置ける高卒のほうがメリットが大きいと考えられていましたけど、今は大卒のメリットのほうが大きくなっている。そうなれば、みんな大学に行こうと思っちゃいますよね。

憲剛 一方で、僕はロールモデルコーチとしてU-17代表に関わっていますけど、17歳でプロ契約して、どんどん上のカテゴリーに上がっていくということを目標にするグループにいるので、大卒ルートばかりに目を向けるのもどうなのかなという考えもあります。

 これはどっちがいいという話ではなくて、いろんなルートがあっていいということ。日本の選手は身体的成長も人それぞれです。17歳でプロになれる選手もいれば、17歳で輝けなくても、のちに大学に行ったことで輝ける選手も当然いる。その選手を汲み上げられるのは、日本のいいところではあると思うんですよね。

寿人 若手に出場機会を与える手段のひとつが、レンタル移籍ですよね。J2やJ3にレンタルして、実践経験を積ませることはどこのクラブもやっていることだと思うけど、ここで重要なのは、レンタル元のクラブがちゃんとした育成のビジョンを持っているかどうかということ。

 ほかのクラブもうまく使いながら、どういうふうに育てていくのかというビジョンがなければ、なかなか選手は伸びていかない。契約だけして、あとは選手の責任で戦力になってくださいというスタンスだと、厳しいですよ。

── J2へのレンタルから這い上がっていったのは、寿人さんがまさにそうでしたよね。

寿人 僕も当時J2だったセレッソ大阪に行ったことが大きかったですけど、僕だけじゃなくて、特に攻撃の選手はカテゴリーを下げてでも実戦で成功体験を得たり、自分の型を作っていったほうがいい。実戦に比べると、練習だけで吸収できるものには限界がありますからね。

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