レッズでの引退を決めている興梠慎三の覚悟「100%でできるのはあと1、2年」「悔いが残らないように初めて自主トレもやった」 (3ページ目)
もちろん、ずっとサッカー選手でいられることが自分にとっては一番いいことですが、自分がどれだけやれるのかは、自分自身が一番よくわかっています。ファン・サポーターが試合のチケットを買って見にきてくれるのに、そこで自分が100%の力でできないと、見にきてくれる人に申し訳ない。100%でできるのは、あと1、2年かなと思っています」
常に全力でプレーし、その姿を見せてきた興梠らしい覚悟だが、"やめる"と決断するうえで何か明確なライン、基準などを決めているのだろうか。
「やっぱり試合に出られなくなったり、試合に出ても自分の思うとおりに体が動かないとか、そういうのがずっと続けば、自分の判断でやめるでしょう。シーズン終わりまでは何とも言えないですが、そんなに長くやるつもりはないです」
残り少ない現役生活を見据えた興梠の、目の前のシーズンに賭ける思いは強い。同時に引退後、自らが進むべき道も捉え始めているようだ。
「(現役を)やめたら、監督をやってみたい。早くその道に進みたいなという気持ちもあります」
ひょっとしたら、ピッチ上での姿が見られるのは最後になるかもしれない2023年シーズン、興梠は個人として、チームとして、どういったシーズンにしたいと思っているのだろうか。
「個人的には、とにかく試合に絡んでいくことが目標です。あと、毎年ふた桁ゴールを目指すと言っていますが、ピッチに立つ限り、そこもしっかり狙っていきたい。
チームとしては、まずはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で優勝したい。2017年の決勝で勝って、2019年の決勝では敗れたアル・ヒラル(サウジアラビア)と、今度の決勝(第1戦=4月29日、第2戦=5月6日)で戦いますが、前回負けたことがすごく悔しくて......。(今のチームには)それを経験しているのが、シュウちゃん(西川周作)と関根(貴大)ぐらいしかいないのはちょっと寂しいですが、借りを返したいですね。ACLで勢いをつけてリーグ戦で優勝争いをして、優勝したい」
リーグ戦を制するために必要なものは何か。興梠はどう考えているのだろうか。
「勝負強さ、ですね。鹿島では多くのタイトルを獲ることができましたが、レッズでは"ここが勝負"という試合でことごとく負けてきた。勝者のメンタリティーが足りなかった。それは、経験とか継承というのに置き換えられる気がします。
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