興梠慎三が明かす札幌移籍と浦和への復帰を決めた理由「ミシャのためなら、自分の体が壊れてもいいぐらいに思っていた」

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • photo by Hiroki Watanabe/Getty Images

浦和レッズ
興梠慎三インタビュー(前編)

今季、浦和レッズに復帰した興梠慎三今季、浦和レッズに復帰した興梠慎三この記事に関連する写真を見る 今シーズン、浦和レッズに興梠慎三が帰ってきた。

 昨季、35歳で北海道コンサドーレ札幌に期限付き移籍。恩師であるミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下で一年間プレーした。今回で自身3度目となる移籍は、およそ20年のプロ生活を送ってきた興梠にとって、どういったものだったのだろうか。

 2013年、興梠は高校卒業後8年間在籍した鹿島アントラーズから浦和レッズへの移籍を決めた。当時はチームカラーがかぶるライバルチームということもあって、「禁断の移籍」とも言われたが、その決断に至ったのは"禁断の思考"があった。

「2012年、ミシャが率いるレッズと対戦した時、自分たちは(リーグ戦の2戦とも)負けたんです。その時の(レッズの)サッカーがすごく強烈で......。しっかりつないで、どこからでも点が取れるみたいな感じで、強かったですし、(プレーしている選手たちが)すごく楽しそうだったんです。

 それで、レッズでサッカーをしたら『自分ももっと成長できるのかな』と思いながら試合をしていたんですが、そうしたらいいタイミングで(レッズから)オファーがきた。これはもう『行くしかない』と思って決断しました」

 2012年シーズン、浦和はペトロヴィッチ監督を招聘し、阿部勇樹、鈴木啓太、柏木陽介、マルシオ・リシャルデスらが高い個人技を生かしたポゼッションサッカーを実践。非常に攻撃的なチームに生まれ変わっていた。

 それまでとは劇的に変わった浦和のサッカーは、見ている人を楽しませ、サポーターを歓喜させた。興梠もそのサッカーに魅せられたわけだ。

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