川崎フロンターレ、王座奪還への必須条件。鬼木達監督が新キャプテン・橘田健人に伝えたこと (2ページ目)

【昨季優勝を逃して見えたこと】

　キャプテンとして臨む2023シーズンは、キャンプから早くも手応えを感じていた。

「まだ自分の感覚値でしかないのですが、今シーズンの練習がスタートしてからは、その先を見る目がさらに研ぎ澄まされてきているように思います。前線にいる選手とも、目が合う回数は多くなりましたし、昨シーズンまでとはまた違った感覚でやれているというイメージも持てています。それによって、プレーの幅も広がってきているのかなとは思います」

　それも、自分の原点である守備があってこそ、だ。

「自分の特徴である守備は、これからもやり続けていきたいと思っています。もっと、相手からボールを奪えるようになりたい。

　そこで違いを見せることができなければ、自分は選手として終わってしまうというくらいに思っているので、守備ができたうえでの攻撃だと思っています。だから、持ち味である守備に加えて、今シーズンは攻撃でも数字を残せる選手になることができたらと......」

　キャプテンになったこともあり、チームを主語にして語ってもらうべく、優勝を逃した昨シーズンのチームに足りなかったところを聞いた。

「サッカーの内容ももちろんですが、実際に試合に出続けていて感じたのは、勝った試合の前はチームとして集中力も高く、負ける気がしないくらいの雰囲気で試合に臨めていましたが、それを継続、持続することができなかったように感じています。やっぱり、チーム全体に気持ちの波があった。

　それは連戦による疲労などもあったとは思いますけど、ここを落としたらあとがないという試合では必ず結果を残せていたように、その高い緊張感や集中力をチームとして維持できなかったことが、最終的な結果に表れてしまったように感じています。だからこそ、今年はそうした波をチームとしてなくしていきたい」