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W杯でも議論となった「PKは運ではない」を実証。鎌田大地も成し得なかった日本一へ、京都・東山が「平常心」で決勝に挑む (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao

【鎌田大地のプレーに刺激】

 その意識を持つきっかけは、青森山田に敗れた昨年大会にあったと、福重監督は言う。

「どういう状況でも、どういう環境でも、どういう雰囲気でも......という話を、昨年、青森山田高校に負けてから1年かけてしてきました。日々の練習、トレーニングマッチからそういう意識を持たせてきたことが、ひとつの要因かなと思います」

 平常心を生み出すのは、おそらく自信である。日常から培ってきたものが自信となり、どんなに重圧がかかる舞台でも、ふだんどおりにプレーすることができるのだろう。

 そして、東山の選手たちにはもうひとつ、意識を高められる要因がある。OBの鎌田大地(フランクフルト)の存在だ。佐藤は言う。

「ワールドカップの鎌田選手のプレーを見て、とても刺激を受けました。その刺激を持って、日本一になりたいと思います」

 のちに日本代表のエースになる男も、成し得なかった日本一へ──。東山は「平常心」で1月9日の決勝の舞台に挑む。

【筆者プロフィール】原山裕平(はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

★中村俊輔選手との鼎談全文(合計33ページ)収録★
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「中村憲剛×佐藤寿人 日本サッカー向上委員会」が一冊の本になった!

 書籍名は「ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話」

 ふたりが願う「日本サッカーのさらなる向上」を実現するため、さまざまなテーマに沿って対談形式で本音をぶつけあう。また、カタールワールドカップ直前企画として「ふたりの思い出のワールドカップこぼれ話」、さらにはふたりが熱望した元日本代表MF中村俊輔選手を招いて豪華な「スペシャル鼎談」も収録。プロとして20年近く現役を続けられたふたりの言葉は、「サッカー以外の人生」にもきっと役に立つ。

<中村憲剛さんからのコメント>
「長く第一線でやれたのには理由があります。その要因を紐解くことは、サッカーだけではなく、おそらくサッカー以外の社会や組織にも当てはまること。その『ヒント』になるようなものが、この本には詰められていると思います」

<佐藤寿人さんからのコメント>
「僕らはスポーツの世界で経験してきたことを話していますけど、それをうまく変換して『自分事』として捉えていただき、それぞれの環境で生かしてもらえたら。サッカーをやってきたなかで学んだことは、人生にも役立つんです」

【書籍名】 ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話
【発 行】 集英社
【発 売】 2022年11月14日(月)
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【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

【写真・画像】高校サッカー選手権応援マネージャー「フォトギャラリー」(15枚)

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