岡山県勢初の快挙達成なるか。下馬評は高くなくとも「このチームは強いと思っていた」岡山学芸館が決勝へ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 全国高校サッカー選手権大会準決勝。岡山学芸館(岡山県)が神村学園(鹿児島県)を退け、初の決勝進出を決めた。

 岡山学芸館は過去4回の選手権出場で、3回戦進出が最高成績。5回目の出場となった今大会で初のベスト8進出を果たしたチームは、そこで満足するどころか勢いをさらに加速させ、一気に決勝の舞台まで勝ち上がってきた。

神村学園との激闘を制して決勝進出を決めた岡山学芸館神村学園との激闘を制して決勝進出を決めた岡山学芸館この記事に関連する写真を見る「内容は、神村(学園)さんのほうがボール保持率は高いと思うが、すばらしい勝ち方をしてくれた」

 岡山学芸館・高原良明監督がそう称える準決勝の激闘は、岡山学芸館のゴールで幕を開けた。

 前半6分、MF岡本温叶の左からのクロスにMF田口裕真が合わせて先制。FW福田師王(→ボルシアMG)、MF大迫塁(→セレッソ大阪)というふたりのプロ内定者を擁し、初優勝を狙う神村学園の出鼻をくじくことに成功した。

 ところが、その後は神村学園の優勢で試合が進む。前半38分に福田が同点ゴールを、後半59分には大迫が逆転ゴールを決め、神村学園が逆転。個人能力で上回る神村学園が、接戦を押しきってしまうかに思われた。

 だが、岡山学芸館もこのままでは終わらなかった。

「守備の時間、押し込まれる時間が続いたなかで失点はしたが、最後まで諦めず、とにかくゴールに向かってウチのサッカーを貫き通せ、ということで追いついた」(高原監督)

 神村学園の逆転ゴールからわずか3分後、左サイドのニアゾーンをうまく攻略すると、FW今井拓人が決めて同点に。その7分後、再び神村学園に勝ち越しを許すも、またしてもわずか4分後、岡山学芸館は自陣深い位置で奪ったボールを縦につなぎ、ロングカウンターを発動。最後は岡本が左足でスーパーゴールを叩き込んで追いついた。

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