岡山県勢初の快挙達成なるか。下馬評は高くなくとも「このチームは強いと思っていた」岡山学芸館が決勝へ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 この日の神村学園戦についても、山田曰く、「(相手にボールを)持たれるのは想像していたとおり」。それどころか、「今日の相手はずっと怖いというか、サイドチェンジや縦パスで急にピンチになる。直感で『これはヤバいから、マジで戻らないかん』というシーンが特に多かった」。

 それでも、「最後のところで体を張っていたら、自分らの時間が絶対くるから、その時間に点をとれたらこっちの流れも出てくる」と山田。「そういう試合を今日できたと思う」と誇らしげに語った。

 岡山学芸館の決勝進出は、岡山県勢としては85回大会の作陽以来、16年ぶり2度目のこと。当時の作陽は決勝で盛岡商(岩手県)に敗れており、岡山学芸館が勝てば、同県勢初の優勝となる。山田が胸の内を明かす。

「ビックリというか、実感は正直ない。一戦一戦戦って、気づいたら決勝まできていた」

 しかし、それを無欲の勝利と表現するのは適当ではないのだろう。岡山学芸館の勝ち上がりは、決して番狂わせなどではなかったからだ。

「夏場に強豪と試合をしても負けることはほぼなく、対等にやれていた。神村とも練習試合で勝っている」

 そう語る山田は、「周りからの評価はそこまでではなかったが、このチームは強いと思っていた。力を証明できた」と胸を張る。

 全国制覇まで、あと1勝。岡山県勢初の快挙が見えてきた。

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