J1参入プレーオフの謎。ファジアーノ岡山が完敗し、再び繰り返された「3位の悲劇」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 対照的な反応を見せたのは、勝った山形のピーター・クラモフスキー監督である。

 リーグ戦終盤から続く勢いについて問われると、「それは明らか。シーズンを通してブレずに継続して戦ってきた結果だ」と答え、こう続けた。

「シーズンではいろんな障害があったが、自分たちのフットボールをしながら、それを乗り越えていこうと話してきた。選手にいつも話していたのは、(その時の結果ではなく)42節(を終えた時点)でどこにいるかを見ていこうということだった」

 山形のリーグ戦ラスト2試合は、大分トリニータ、徳島ヴォルティスと、対戦時点で上の順位にいるチームをいずれも3-0で下しての2連勝。そして、勢いそのままにプレーオフ1回戦でもまた、岡山を3-0で葬った。

 クラモフスキー監督の言葉にも、自然と自信がみなぎる。

「今は流れをつかんできている」

 木山監督の言葉にもあるように、2017年以前のJ1昇格プレーオフ(J2の3~6位クラブのみによるプレーオフ)も含め、過去のプレーオフの歴史を振り返ると、不思議と3位で進出してきたクラブの苦戦が目立つ。

 3位クラブは、J1勢との対戦となる最後の決定戦を除けば、すべての試合をホームで戦うことができるうえ、引き分けでも勝ち上がれる規定となっており、圧倒的に優位な条件で戦えるにもかかわらず、である。

 コロナ禍によるイレギュラーなシーズンを経て、3年ぶりに復活したJ1参入プレーオフ。またしても"3位の悲劇"は繰り返された。

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