家長昭博が得点王を獲ったら日本のサッカー界はやばい? 浮き彫りとなった日本人ストライカー不足問題 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

2019年の15得点を上回るか?

 その家長は、30節の柏レイソル戦のピッチに立っている。連戦の疲れからか珍しくボールロストが目立ったが、38分に小林悠の先制点をアシストしたのはさすがだった。しかし自らの得点はなく、試合は1−1の引き分けに終わり、3連覇を狙うチームとしても厳しい状況に追い込まれている。

 トップに立つチアゴ・サンタナは同節のアビスパ福岡戦で12点目を決めて、家長との差を2に広げた。とはいえ、残り試合数は家長のほうがひとつ多く、逆転得点王の可能性は十分残されている。

 ふたりのライバルとなるレオ・セオラは、ここへきてベンチスタートが続く。一方、FC東京のアダイウトンが30節の京都サンガF.C.戦で2位タイに並ぶ10得点目をマークし、得点王候補に浮上した。

 日本人に限れば、家長に次ぐ9得点の西村拓真(横浜FM)は無念の負傷離脱。9月シリーズに挑む日本代表に招集された湘南ベルマーレの町野修斗、清水戦で2ゴールを決めた福岡の山岸祐也も9得点とした。

 家長は逆転優勝のために、町野と山岸は残留のために、残り試合を戦うことになる。重要なミッションを抱えた3人には、当然ゴールという結果が求められている。その重圧が、逆にパフォーマンスを研ぎ澄ませることになるかもしれない。

 チアゴ・サンタナが優位な状況に変わりはないものの、誰が獲るかは最後までわからない。その意味で、低水準な得点王レースも意外と悪くはないのかもしれない。

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