2022.05.23

かつての浦和レッズには圧倒的な個性が存在した。優等生タイプだけでは閉塞感は打破できない

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「8試合負けなし」と書けば、好調チームをイメージするかもしれない。一方、「7試合勝利なし」と書けば、苦しんでいることが想像される。ところがこれは、同じチームの状況を指している。浦和レッズのことである。そして14位という順位にふれるまでもなく、今の浦和は苦境の真っ只中にある。

7試合連続して引き分けとなった浦和レッズ7試合連続して引き分けとなった浦和レッズ この記事に関連する写真を見る  昨季は6位と上位進出を果たし、天皇杯も制した。気鋭のスペイン人指揮官リカルド・ロドリゲス監督の下、復権への第一歩を踏み出したと思われた。

 だが、さらなる進化が期待された今季は、開幕から4戦未勝利と出遅れた。湘南ベルマーレとジュビロ磐田には勝利したものの、6節の北海道コンサドーレ札幌戦からは6試合連続の引き分けで、迎えた14節の鹿島アントラーズ戦でも早い時間帯に失点し、PKで追いついたものの勝ち越し点を奪うことができずに、1−1の痛み分けに終わった。

「チャンスがあっても、それを決めきれない試合が続いている。悪い流れだが、サッカーでは起こりうること。それを打ち破っていかなければいけない。負けてはいないが、勝ってもいないという現実を受け止め、勝利を手にできるようにやっていきたい」

 試合後、リカルド・ロドリゲス監督は淡々と言葉を発した。

 勝ちきれない原因は、やはり点が取れないことに尽きるだろう。7つの引き分けのうち3つがスコアレスドローで、1−1の引き分けも3試合を数える。

 チャンスを作りながらも決めきれず、スコアレスドローに終わった柏レイソル戦後、リカルド・ロドリゲス監督は「引いてくる相手を崩すのは簡単ではないが、我々としてはそこを改善すべくトレーニングしている」と話していたが、ハードな連戦下にあって思うように着手できていないのだろう。続くサンフレッチェ広島戦でもゴールを奪えないまま引き分けている。

 リカルド・ロドリゲス監督のサッカーは、正しい位置取りに基づくスムーズなボールの動かし方に特徴を持つ。しかし、たとえ正しい位置を取っても、相手のプレッシャーをかいくぐれなければ、ボールは回らない。

 そこには判断やパススピード、あるいはデュエルなどさまざまな要素が求められる。だが、柏戦でも広島戦でも、この鹿島戦でも、引いた相手を崩せなかったのではなく、プレッシャーに屈する場面が多く見受けられた。