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宮市亮はやっぱりモノが違う。ベンゲルを魅了した大物感あふれるプレーを見逃すな

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • アフロ●写真 photo by YUTAKA/AFLO SPORTS

 日本人Jリーガーで最も得体の知れぬ大物感を発露させている選手。今年中に30歳を迎えるというのに、目にまぶしく映る選手。「やっぱりモノが違う」と、観戦するたびに筆者の期待値を上げている選手。横浜F・マリノスの宮市亮はいま、目を離すことができない選手になっている。森保一日本代表監督が選出し損ねている国内組は多々存在するが、彼もそのひとりに加わりつつある。

 昨秋の名古屋グランパス戦がJリーグデビューだった。「復帰戦」ではないところに、この選手の特異性が見て取れる。高校(中京大中京)卒業後、アーセナルに入団。アーセン・ベンゲルに気に入られて欧州に渡った選手といえば、もうひとり、宮市の高校の4学年先輩にあたる伊藤翔がいるが、宮市はその後を追うように欧州に渡った。グルノーブルが入団先だった伊藤に対し、宮市はアーセナルからフェイエノールトへのレンタル移籍を経て、再びベンゲルのもとでプレーした。

京都サンガ戦では2アシストで勝利に貢献した宮市亮(横浜F・マリノス)京都サンガ戦では2アシストで勝利に貢献した宮市亮(横浜F・マリノス)この記事に関連する写真を見る Jリーグを経由せず、高校を卒業してそのまま欧州に渡るケースは、当時の日本サッカー界において画期的な出来事だった。冨安健洋がプレーする現在より、数段強かった頃のアーセナルである。

 19歳でプレミアリーグデビュー。チャンピオンズリーグ(CL)2013-14シーズンにも2試合出場した。日本代表(ザックジャパン)にも19歳で選出された。アゼルバイジャン戦(2012年5月)で香川真司と交代でピッチに立っている。さらに、ボロツラウ(ポーランド)で行なわれたブラジル戦(同年10月)では、終了間際、清武弘嗣と交代で出場している。

 日本サッカー期待の星だった宮市だが、その後はケガに泣くことになる。18歳で欧州に渡り、昨年帰国するまでのおよそ10年間で、出場した試合数は110余りにとどまる。ケガを惜しみたくなる選手は数多くいるが、宮市はその筆頭格だろう。

 昨季、横浜FMでJリーグデビューを果たしたものの、出場機会は途中交代のみ2試合、計41分に終わった。今季の初出場は、開幕4試合目にあたるヴィッセル神戸戦(3月2日)。後半17分まで計62分のプレーだった。

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