東京ヴェルディが開幕ダッシュ。15年ぶりJ1復帰の力は本当に備わっているのか
今季J2で前評判が最も高く、J1昇格最有力候補と目されていたのは、横浜FCで間違いないだろう。
昨季J1で最下位(20位)だった横浜FCは、J2降格にはなったものの、主力の大量流出を回避。J2では頭ひとつ抜けた戦力を擁しているのだから、戦前に高い評価を受けるのも当然だった。
実際、第9節終了現在、7勝2分けとJ2唯一の無敗で首位に立っており、評判どおりの強さを見せつけている格好だ。
その一方で、J1昇格の大本命に次ぐ2位につけているのは、少々意外なクラブと言ってもいいのかもしれない。
東京ヴェルディである。
今季J2で好スタートをきった東京ヴェルディこの記事に関連する写真を見る 昨季の東京Vは、2019年から指揮を執ってきた永井秀樹監督が3年目を迎え、ボールポゼッション重視の攻撃的なスタイルを結果へとつなげる、実りのシーズンとなるはずだった。
ところが、シーズン序盤から失点がかさんで勝ち点が伸びず、そんな折に、永井監督のパワハラ疑惑が取り沙汰される。ピッチ内外で落ちつかない1年を過ごすことになった東京Vは、一時はJ3降格が危ぶまれるほどに低迷した。
結果、3年連続のふた桁順位となる12位に終わり、昇格争いとは無縁のシーズンを送ったとあって、今季開幕を前に東京Vを昇格候補と見る向きは少なかった。
ところが、新シーズンが幕を開けるや、東京Vは開幕からの8試合を5勝3分けとスタートダッシュに成功。第9節のロアッソ熊本戦で初黒星を喫したものの、依然2位をキープし、J1自動昇格圏内につけている。
昨季途中から東京Vの指揮を執る堀孝史監督は、強さの理由について「特別なものは何もない」と言い、こう語る。
「トレーニングから選手がモチベーション高く、いい競争をしてくれている。チームの力が一番大きい。これを続けていくのがベースになる。出てくる課題に、選手と一緒にとり組んでいきたい」
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