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東京ヴェルディが開幕ダッシュ。15年ぶりJ1復帰の力は本当に備わっているのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 堀監督がチームにもたらしたものを、ひと言で表すなら、攻守のバランスということになるのだろう。

 昨季までの東京Vは、ボールを保持して相手ゴールに迫る攻撃で、確かに得点数は多かった(昨季総得点62は、リーグ5位)。だが、その一方で複数失点を喫する試合も多く、失点の多さが勝ち点を伸ばせない要因となっていた(昨季総失点66は、リーグワースト3位タイ)。

 対照的に、今季の東京Vはというと、必ずしもボールポゼッションで対戦相手を圧倒し続けるわけではない。実際、第8節の大分トリニータ戦のあとに、堀監督は「守備の時間が長くなり、勇気を持って自分たちのボールにすることができなかった」と話している。

 だが、そんな試合も終わってみれば、1-0の勝利。指揮官は「連戦だったし、相手も強い。いつも狙いどおりにはできないが、選手が助け合ってやってくれた」と、粘り強く"守りきった"選手を称えた。

 永井監督時代の"つなぎ倒してゴールを仕留める"サッカーも、それはそれで面白かったが、今季の東京Vは、いわば理想と現実の折り合いをつけながら、自分たちの特長をうまく結果に結びつけているように見える。

「ヴェルディのほうがもっと細かく攻撃してくるのかな、という印象だったが、意外とダイナミックな攻撃できた」

 大分戦後、対戦相手の下平隆宏監督がそんなことを話していたが、言い換えれば、今季の東京Vが長いボールも効果的に混ぜ、より柔軟なサッカーを展開している証拠だろう。

 それでも、東京Vの今季ここまでの総得点は19点。横浜FCをも凌ぐJ2トップの数字は、堀監督が失点のリスクを低減させながらも、従来の攻撃的なスタイル――それがすなわち、東京Vの魅力でもあるのだが――を捨てたわけではないことを表している。

 アンカーを務める、MF山本理仁が語る。

「ヴェルディはボールを持つサッカー。(速く攻撃に)いくところもあれば、いかないところもあるし、相手の隙を見て(攻撃に)いこうっていう感じなので、攻撃の緩急はすごく意識している」

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