2022.03.27

横浜FC小川航基が新天地で好調。W杯メンバー入りに向け、渇望している「爆発的なゴール数」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by アフロスポーツ

現在、J2得点ランキング1位タイの横浜FC・小川航基現在、J2得点ランキング1位タイの横浜FC・小川航基 この記事に関連する写真を見る

 J2、横浜FCの小川航基が好調を維持している。

 6試合を終え、4ゴール、得点ランキング1位タイ。横浜FCは5勝1分で首位をキープしている。今季、ジュビロ磐田から完全移籍を決め、退路を断って横浜FCに加入。開幕戦の大宮アルディージャ戦にスタメンで出場すると、四方田修平監督の期待に応え、ゴールを決めて勝利に貢献した。

「このゴールは大きいですね。FWとして、どんな形であれ、開幕戦でゴールを決めることができたのは、気持ち的にプラスに働きます」

 小川は笑顔で、そう語った。

 ただ、喜んでばかりもいられない気持ちもある。

「2年前、ジュビロで開幕戦で2ゴールを挙げたんです。その後、コロナで2カ月、中断してしまいましたけど、開幕戦でゴールを決めた流れに乗っていけなかったという経験がある。今回の開幕戦のゴールはもう忘れて、次の試合に集中したいと思っています」

 その言葉どおり、小川は1試合、1試合に集中し、水戸ホーリーホック戦では決勝ゴールを含め2ゴールを挙げている。好調の理由は、複数あるだろうが、ひとつはゴールを奪うパターンが確立化されてきているからだろう。それは小川のシュート数の多さから見てとれる。6試合で25本、1試合平均4.1本はキャリアハイの9ゴールを記録した2020年の磐田での1試合平均2.1本の約2倍だ。気持ちよくプレーできているようで、小川も流れに乗っているのを実感している。

「点がとれると、自然と他のプレーもよくなるし、気持ちもリズムも乗ってプレーできます。よく外国人選手が点をとったあと、相手に猛烈な勢いでプレスをかけにいくじゃないですか。気持ちが盛り上がって普段しないようなことをするけど、あの気持ちはよくわかりますね」

 もうひとつは、サッカー選手として生活のリズムが正確に刻めていることが大きい。これは水戸に期限つき移籍をして、コンスタントに試合に出場した時に経験したことだ。

「毎週末、試合をして、リカバリーして、体を休めて、週末の試合に向けて最高のコンディションにもっていく。こういうサイクルというかリズムは選手にとってすごく大事なので、そのリズムを1年間、保って試合に出て点をとり続けないといけないと思っています」

 小川は、ゴールに対する強い欲を隠さない。FWというポジションに対する理想とこだわりがそこにある。

「FWは、サッカーの醍醐味を一番感じられるポジションですし、点をとる仕事じゃなければサッカーをやっていなかったと思います。ゴールを決めた時の喜び、あの瞬間は中毒性みたいなものがあるんですよ」

 その中毒性というのは、いったいどんなものなのだろうか。

「ゴールそのものを決めた時の単純な喜びも大きいですが、僕が好きなのはゴールを決めた時、大きな歓声が沸く前に一瞬、間があくんですよ。それからゼロコンマ数秒でわーってなるんですけど、その間が好きで、何度もそれを味わいたいと思うんです」

 小川らしい独特の表現だが、長いシーズン、いい時ばかりではなく、点をとればマークが厳しくなり、なかなか得点できない時も出てくる。小川は、常にゴールへの道筋をイメージしていくことが大事だと考えている。

「僕は、ジョギングしている時、こういうクロスがあがってきて、こんな感じで足を合わせて決めて、こっち側に走って行ってパフォーマンスをするとかイメージしています。そうやってジョギングしていると足の動きが変になって、となりの選手に『お前、あの動き、何?』と言われることもあるんですが、そういうイメトレは大事ですね」

 小川のゴールパターンは、磐田の時から比較的、バリエーションが豊富だ。それは、日常のジョギングのイメトレから生まれてきているのかもしれない。