福西崇史が選ぶJ1序盤戦のベストイレブン。FC東京・松木玖生には「正直驚いた」

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

代表戦で中断していたJ1は、4月1日から第6節が行なわれる。第5節までの序盤戦で活躍している、今、 注目の選手は誰か。解説者の福西崇史氏に、 おすすめの11人を紹介してもらった。

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高卒新人らしからぬプレーぶりで、開幕からインパクトを残しているFC東京の松木玖生高卒新人らしからぬプレーぶりで、開幕からインパクトを残しているFC東京の松木玖生この記事に関連する写真を見る福西崇史注目の11人

GK/ヤクブ・スウォビィク(FC東京)
DF/鈴木雄斗(ジュビロ磐田)、小池龍太、エドゥアルド(以上横浜F・マリノス)
MF/松木玖生(FC東京)、高嶺朋樹(北海道コンサドーレ札幌)、橘田健人(川崎フロンターレ)、柴戸海(浦和レッズ)、アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)
FW/鈴木唯人(清水エスパルス)、細谷真大(柏レイソル)

DFは攻撃面が注目の3人

 GKは各クラブで在籍年数も長く、守護神と言えるチョン・ソンリョン(川崎フロンターレ)やランゲラック(名古屋グランパス )といった存在感のある選手が多いなかで、今季移籍組の新鮮度という面で楽しみなFC東京のヤクブ・スウォビィクを選出した。

 スウォビィクはベガルタ仙台時代からのハイパフォーマンスで、チームやサポーターからの期待は非常に大きかったはず。そのなかで、開幕戦からJトップクラスのセービングを遺憾なく発揮して、その期待に見事に応えている。実際に彼のセービングで勝ちを拾えた試合もあった。

 ただ、チームのスタイルでもあるつなぐという足元の部分はまだまだ慣れる必要があると思う。そこを含めてもこれから面白くなる存在だ。北海道コンサドーレ札幌の菅野孝憲と悩んだが、今後が楽しみという意味でスウォビィクをおすすめする。

 DFでは守備での貢献度はもちろんながら、攻撃面でより注目してほしい3人を選んだ。

 ジュビロ磐田の鈴木雄斗は、ウイングバックながらここまで4得点で、リーグのトップスコアラーと際立った数字を残している。プレーのベースとして守備もしっかりとこなせる上で、攻撃でゴール前まで行けてしまうのは強み。試合を決定づける仕事までやってのけているのは、本当に頼もしい存在だ。

 横浜F・マリノスの小池龍太も、鈴木と同じく攻撃面により強みを発揮するサイドバックだ。中央の守備のカバーや、攻撃に出ていく能力が常識外れで、見ていて楽しい選手のひとり。鈴木、小池のような攻撃で違いを生み出せる現代的なサイドバックがJリーグで目立つ存在となってきたのは個人的に注目している。

 同じくマリノスのエドゥアルドは、チアゴ・マルチンスが移籍した穴を埋める形で今季から加入した。守備の堅さがありながら、攻撃面では明らかにいい縦パスが入るようになり、ゲームを動かす能力の高さを見せている。

 エドゥアルドの質の高い縦パスによって、スピードのある前線のタレントもより生きてくることを考えると、すでに彼がいるのといないのとでは全然違うと言えるほどの存在感がある。

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