柏木陽介、J1から一気にJ3へ。気づいたのは「俺ってこんなもんやな」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

35歳になった調子乗り世代

 まとまりを出すためにどうすればいいのか。そう考えながら過ごしたなかで、柏木がここでも感じたのは「ひとりではどうしようもできなかった」という想いだ。

 しかし、今年はチームを変えられるという希望が生まれている。浦和時代のチームメイトである宇賀神友弥と、海外でのプレー経験もある同年代の田中順也が加入。ほかにも菊池大介や石津大介といった経験豊富な選手が加わったことは、柏木の負担を軽減することになりそうだ。

「今年は順也とか、ウガが来てくれたので、プレー面もそうですけど、そういう部分にも力を貸してくれると思っています。周りからしたらおじさんばかりと思うかもしれないですけど、J3を勝ち抜くにはベテランと若手の融合が一番必要かなと思っているので、彼らの存在は大きいですよ。

 技術的にも考え方にしても、人間的にもすばらしい選手たちなので、チームにとっても自分にとってもプラスになることしかない。このメンバーが揃ったなかで、どういうふうにチームとしてまとまっていけるか。そこが一番大事かなと感じています」

 1987年生まれの柏木は、今年で35歳となる。"調子乗り世代"も、すっかりベテランの仲間入りである。

「もちろん疲れは取れにくくなっていますし、毎年オフ明けの練習はかなり厳しいですよ。だから、(小野)伸二さんとか、ヤットさん(遠藤保仁)とか、イナさん(稲本潤一)も、本当にすごいと思いますし、自分はそんな長くできないなとも思っています」

 それでも、引退を考えるのは、まだ先の話だ。

「やれる間はやりたいし、今1歳の子どもが(自分を)サッカー選手として認識してくれるまではやりたいなとは思っています。フィジカル系のトレーニングは30歳を超えてから始めたので、最近身体をどう使うのがやっとわかってきたんですよ。フィジカル的なものは確実に上がっているので、身体の状態に関しては、今が一番いいと思っています」

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