永木亮太がベルマーレで感じたチームの課題と自分の使命。「今、純粋にサッカーが楽しい」 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by (C)SHONAN BELLMARE

【純粋にサッカーが楽しい】

 これまでJ1残留が現実的な目標だった湘南だが、来たる2022シーズンは「5位以内」を公言し、チームとして、クラブとしてワンランク上を目指す覚悟を示している。

「本当にいい目標というか、目指す価値のある目標だと思っています。また、個人的にはメンバーを見れば、そこを狙えるとも思っています。

 ただ、まだまだ足りない部分がたくさんあることも事実。目標を達成するためには、智さんも話しているように、勝ちきる力が必要になる。そのためには、先ほど話した選手たちで判断していく部分や、昨季は失点数を抑えられていた一方で得点が奪えていなかったと聞いたので、最後のところで決めきる力が課題になってくる」

 指揮官の指示を高い再現性で実行することのできる選手たち。そこに状況判断力が養われた時、湘南は魅力と結果の両方を掴むことだろう。チームを次なるステップへ引き上げるのが永木の役目であり、使命となる。

 最後に「サッカーがまた楽しくなってきているか」と問いかけた。

「今、純粋にサッカーが楽しいですね。自分のプレーについて考える時間も、サッカーについて考える時間も増えました。昨季は試合に出る機会も少なく、試合で頭を使って考える機会がなかったので、今はもうフル稼働といった感じです(笑)」

 復帰した湘南での背番号は「41」を選んだ。

「(湘南でも鹿島でもつけていた)6番が空いていないので、坂本さんに41番は空いていますかって聞いたんです。自分にとっては、特別指定選手時代につけていた、キャリアをスタートさせた時の番号だったので。初心に返る、リスタートするといった意味も込めて、41番でお願いしますと伝えました」

 12年前、初めてライトグリーンのユニフォームに袖を通した時のワクワク感と向上心を胸に、レモンガススタジアム平塚に永木が戻ってくる。あの時とは違う"経験"という武器を携えて、背番号41が湘南ベルマーレを牽引する。

【profile】
永木亮太(ながき・りょうた)
1988年6月4日生まれ、神奈川県横浜市出身。中学・高校の6年間は川崎フロンターレの下部組織に在籍。中央大学に進学したのち、2011年に湘南ベルマーレに正式入団した。1年目から主力として活躍し、2013年からキャプテンに就任。2016年に鹿島アントラーズに移籍し、同年には日本代表デビューも果たす。今シーズン7年ぶりに湘南に復帰。ポジション=MF。身長175cm、体重67kg。

退場で数的不利でもあきらめずに走る「湘南スタイル」の真髄を見た

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る