「本当にドキドキの戦い」を制した名古屋グランパス。3大タイトルコンプリートで真のビッグクラブとなれるか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 名古屋グランパスが、ついに3大タイトルのコンプリートである。

 名古屋はルヴァンカップ決勝でセレッソ大阪を2-0と下し、初優勝。

「グランパスにとって、唯一足りなかったルヴァンカップを勝ち獲れた」

 マッシモ・フィッカデンティ監督がそう言って喜んだように、すでに天皇杯(1995年、1999年)、J1リーグ(2010年)を制したことのある名古屋が"ラストピース"を埋めることに成功した。

ルヴァンカップを制して、3大タイトルをコンプリートした名古屋グランパスルヴァンカップを制して、3大タイトルをコンプリートした名古屋グランパスこの記事に関連する写真を見る 名古屋らしい、手堅い戦いでたどり着いた頂点だった。

「最初の20分くらいは主導権を握って、点が入ってもおかしくない形を作っていたが、前半の真ん中から終わりにかけては、押し込まれて苦しい時間になった」

 フィッカデンティ監督の言葉どおり、前半はどちらに転んでも不思議はない展開で試合が進んだ。必ずしも名古屋が優勢に進めていたわけではない。少なくとも、傍目にはそう見えた。

 だが、「僕たちの戦い方ができているなという感じだった。相手は攻めあぐねているというか、危ないシュートはなかったと思う。前半の戦いで若干疲労はきていたが、ネガティブなところはなかった」と名古屋のキャプテン、DF中谷進之介。

「前半はゼロ(無失点)でいって、後半勝負に持っていこう」

 そんな考えで前半を戦っていたという。

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