湘南ベルマーレ、横浜FCが残留するためには何が必要か。直接対決は湘南に軍配 (2ページ目)
後半33分、ギャップに入った山田が右から中央にパスを入れると、横浜FCのディフェンダーがクリアしきれない。それを受けたウェリントンが落とすと、GKと1対1になった大橋がボールを浮かし、ネットを揺らした。
「シーズン終盤で外的要因によるプレッシャーもあるが、選手は自分たちにフォーカスし、プレーしてくれている。チーム内の競争もできてきました。途中から入った大橋、山田もそうですが、メンバーに入らない選手も含め、相乗効果が出てきている。その力を試合で出し切れるか」(湘南・山口監督)
湘南は終了間際にもペースを握ってGKを脅かし、押し込んで得た右CKだった。ファーポストで交代出場の町野修斗が必死にヘディングを飛ばすと、敵GKの前で山田が体を翻すバックヘッドでコースを変えた。後半44分、歓喜の決勝点は、観客の熱気に背中を押されるかのようだった。
「内容がよくてもなかなか勝てなくて......。でも結果が出たので、みんな上を向いていけると思います。ただ、今日勝っても、最後に笑えていなければ意味がないので、また明日から」(湘南・山田)
湘南は少なくとも走り勝っていた。走行距離やスプリント数というデータでも、それは明瞭に出ている。これから待つ苦心惨憺の戦いで、希望をつかむ頼みの綱になるだろう。
一方、最下位に沈んだ横浜FCが苦境にあるのは否定できない。
湘南戦のフォーメーションは3-4-2-1というより5-2-3で、守備と攻撃を半ば分業化した戦い方だった。リアクション戦術でダメージを最小限にしつつ、一発に託す。直近3試合は2勝1分けと結果を残しており、3試合4得点のブラジル人FW、サウロ・ミネイロが戦術軸だ。
しかし、湘南戦は腰が引けすぎていた。ビルドアップで単純なミスも多く、カウンターを浴びる場面もしばしば。痛恨だったのは、松尾佑介のゴールでリードした後のマネジメントで、ずるずると下がって受け身に回っていた。
「90分間で、ゲームをコントロールできなかった。ボールを握って起点を作るのもありますが、守備のオーガナイズのところは大きいし、奪ったらどう運ぶか。マネジメントの問題」(横浜FC・早川知伸監督)
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