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横浜F・マリノスの前田大然「自分はうまい選手じゃない」。驚異のスピードで走り続ける理由

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by スポニチ/アフロ

圧倒的なスプリント回数を誇る、横浜F・マリノスの前田大然(中央)圧倒的なスプリント回数を誇る、横浜F・マリノスの前田大然(中央)この記事に関連する写真を見る 川崎フロンターレと首位争いを演じ、逆転優勝を目指す横浜F・マリノス。

 そのチームにあってゴールを量産し、レアンドロ・ダミアン(川崎フロンターレ)と得点王争いをしているのが前田大然である。F・マリノスに移籍して2年目、東京五輪にも出場した若きストライカーは、個人の記録よりも「チームの勝利」を優先し、攻守に労を惜しまず走り続ける。

 前田のすごさは、まず50mを5秒台前半でかける圧倒的なスピードとスプリントの回数だ。

 初速からトップスピードに入るまでの時間が短く、フォームにもムダがない。あの走りは、どこから生まれてきたのだろうか。

「子どもの頃から足は速かったです。2位とかとった記憶がないぐらい、ずっと1位でした。たぶん、両親がスポーツ万能だったので、その遺伝もあったのだと思います。実際、父はまぁまぁ足が速かったです。でも、僕が保育園の頃には父に走りで勝っていました(笑)」

 スピードは100mの陸上選手を目指せるほどだったが、ボールを追いかけながら走るサッカーを始めた。走り方は、誰かに指導を受けたことがなく、フォームは自己流。暑さのなかでもスピードがまったく落ちない。

「1年中、夏でも走れるのが自分の持ち味ですけど、その体力やスピードはたぶん子どもの頃に培われたのだと思います。僕が通っていた大阪の太子町の保育園は、『ここは大阪なんか?』というぐらいめちゃくちゃ自然なところだったんです。そのなかで靴を履かず、裸足で走り回ったり、山に登ったりしていました。それが今の自分のベースになっているのかなと思います」

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