清水エスパルス、崖っぷち。激戦のJ1残留争いから抜け出すことができるか
残留を争うチームにとっては、勝ち点を得ることができなかった以上、試合の内容がどうあれ、痛い敗戦なのは確かだろう。
J1第33節、清水エスパルスは敵地で川崎フロンターレと対戦し、0-1で敗れた。90分でわずか4本というシュート数が示すように、ほとんどゴールの可能性を感じさせないまま終えた完封負けだった。
とはいえ、相手は次節にも優勝を決めようかという首位独走のチーム。一方、こちらはJ1残留に必死の状態のチームである。それを考えれば、内容的には悪い試合ではなかった。
清水を率いるミゲル・アンヘル・ロティーナ監督も、「いいスタートを切れて、拮抗した展開に持ち込めた」と言い、こう結論づけている。
「相手の力を考えると、我々にとってはいい試合ができた」
その言葉は、決して強がりや負け惜しみではないだろう。客観的に試合を見ていても、全面的に同意できる見立てである。
安定した守備で川崎フロンターレの攻撃を封じていた清水エスパルスこの記事に関連する写真を見る ロティーナ監督の言葉を借りれば、川崎は「守備においてかなり多くのことを要求してくるチーム」である。つまり、川崎の攻撃に対して、多くの準備をしていなければ、失点を防ぐことはできないというわけだ。
それでも清水は、1失点こそしたものの、「ハードワークして、ほとんど(川崎に)チャンスを作らせなかった」。スペイン人指揮官が続ける。
「守備で必要なのは、チャンスを作らせないこと、そしてチャンスを少なくすることだが、すべてを防ぐのは不可能。失点したが、相手のチャンスはふたつしかなかった。その意味では、守備は悪くなかった」
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