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中村憲剛&佐藤寿人が目指す指導者論。「最終的には自分の素のところが出るんだろうな」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

佐藤 そうですよね。小さい頃に出会う監督のほうが、サッカー人生において影響力は大きいですよ。

中村 U−17日本代表の監督であるゴリさん(森山佳郎)さんとも、育成年代の話はよくさせてもらってる。

佐藤 プロでキャリアを積んだ人が引退して指導者をやる時に、どうしても上のカテゴリーに行きたがるじゃないですか。でも、本当に指導ができる人は、そこに行かないといけないですよね。現状は指導経験が少ない人が育成のほうに行っている。

 本来は逆なんですよね。だから、ゴリさんの存在は重要なんですよ。育成のプロフェッショナルをもっと増やすことが、これからの日本サッカーのテーマのひとつになると思います。

中村 ゴリさんと一緒に仕事ができるのは、ありがたいですね。ゴリさんの指導を見たり、聞いたりすると、本当にすごいなと思います。ひとつのチームで輝けるというより、どこに行っても輝ける個人を育てようとしているのが伝わってくるんです。何が大切かをしっかり伝えながら、指示待ちではなく、自発的にプレーでできる選手を増やそうとしているんですよね。

佐藤 長年、広島ユースでも指導していましたけど、答えを与えないですよね。答えを自分で見つけに行くアプローチ。

中村 本当に、ゴリさんは常にアップデートをしているし、それに愛がある。やっぱり、いい監督にはみんな愛があるんですよ。

佐藤 選手からすれば、監督から愛情をどれくらい受け取れるか、というのも重要ですからね。そこの信頼関係がしっかりと築かれれば、監督というところから、またひとつ超えた存在になりますから。

中村 ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)なんて、まさにそんな感じだもんね。

佐藤 あとにも先にも、選手主催で監督の誕生会を開くのは、ミシャさんだけでしたからね。

---- 以前、おふたりも指導者の道をひとつの選択肢として考えていると語っていましたが、引退から時間が経ち、自身が目指す監督像は少しずつイメージできてきたでしょうか。

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