中村憲剛と佐藤寿人が断言。この2人の監督が日本サッカーを劇的に変えた
中村憲剛×佐藤寿人
第6回「日本サッカー向上委員会」@中編
1980年生まれの中村憲剛と、1982年生まれの佐藤寿人。2020年シーズンかぎりでユニフォームを脱いだふたりのレジェンドは、現役時代から仲がいい。気の置けない関係だから、彼らが交わすトークは本音ばかりだ。ならば、ふたりに日本サッカーについて語り合ってもらえれば、もっといい未来が見えてくるのではないか。飾らない言葉が飛び交う「日本サッカー向上委員会」、第6回はふたりの「監督論」について語ってもらった。
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中村憲剛と佐藤寿人が多大な影響を受けた監督とは?この記事に関連する写真を見る---- (イビチャ)オシム監督やミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)監督のほかに、学びの多かった監督は誰ですか?
佐藤 風間(八宏)さんですね。僕は、だいぶベテランの年齢になってから名古屋で指導を受けたんですけど、自分の今までの概念というか、また違ったサッカー観を与えてくれた監督でしたね。個人的には結果は残せなかったですけど、質を追求することの大切さとか、風間さんとの2年間で学ぶことは本当に多かったですよ。
中村 俺も32歳からだったからね。そこから5年、そう考えると5年って長期だよね。
佐藤 どの監督でもそうですよ、それは。長くやればやるほど、刺激が少なくなるから。さっき憲剛くんが言っていたように、新しい考え方とか見え方とかって、長くやればやるほど与えづらくなる。そこも監督業の難しいところですよね。
中村 風間さんに関して言えば、僕も新しい扉を開いてもらいました。僕のサッカー観のベースは、そこで書き換えられたところがある。選手に「しっかりとした目を持つこと」ってよく言うんですけど、その目は指導者こそが持たないといけないものだということも感じましたね。たとえば、僕の止めて蹴るを見て「よく止まっているね」と言う人がいても、風間さんの場合は「お前、止まってないじゃん」となる。
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