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中村憲剛×佐藤寿人の提言。コロナ禍の今こそクラブがやるべきことは (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

中村 その街にJリーグがあって、そのチームを応援して、週末の結果に一喜一憂して、また新しい1週間が始まる。そんな日常が全国をカバーしているのはすごいことだし、30年近い歴史を築いて、ひとつの形にはなってきている。

 ただ、そこからどうやって、より深く、より広く持っていくかというのはこれからの課題なんだろうなと。村井(満/Jリーグチェアマン)さんの話なんかを聞いていると、感じるところだよね。

---- 今はコロナ禍でもありますし。

中村 そう、コロナ禍だからそれどころじゃないところもあるかもしれないけど、逆にコロナ禍だからこそ、やれることはあるんじゃないかなと、去年思って。実際にあれを機に、SNSを使って、多くの選手が発信し始めましたよね。それは、サポーターからすればうれしいこと。

 でも、まだ足りない。俺も今まではチームの中にいたから、情報はこれくらいでいいだろうと思っていたけど、外に出ると思った以上に全然、足りないなと。

佐藤 フロンターレは発信力もJリーグの中でトップクラスじゃないですか。それでも足りないって感じるのなら、ほかのクラブは全然足りてない。そこはJリーグの課題ですよね。

中村 俺が欲しがりなだけかも(笑)。でも、それは外に出て1年目の人間だから感じること。サポーターの人はそれが当たり前だから、満足できるかもしれない。でも、俺は中から外に出たばかりなので、実際に足りないと感じるから、もっとやったほうがいいと思う。

 練習の映像とかでも、もっと長い時間にしたり、オフショットとかも、もっとたくさん見たいファンも多いでしょう。そういうものをもっと提供しないといけない、と感じるんだよね。

佐藤 憲剛くんが入った2003年と今とでは、Jリーグ全体の中でのフロンターレの立ち位置って全然違うじゃないですか。

中村 全然違うね。

佐藤 そうなると、クラブの発展を考えた時、今がいいからって10年後にどうなっているかわからないし、逆に言えば、今はそうじゃなくても、10年後に劇的に成長できる可能性もある。

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