勝負強さと力強さの兼備へ。アジアの頂点を目指す神戸・三浦監督の変革

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

ヴィッセル神戸
三浦淳寛監督インタビュー

もっとゴールにチャレンジする
プレーを増やさなければいけない

 1月25日に新シーズンをスタートさせたその日から、"三浦ヴィッセル神戸"の色は見て取れた。

 ここ数年の同時期とは明らかに違う、強度の高いトレーニングが組まれていたからだ。主軸である山口蛍の言葉を借りれば「僕がヴィッセルに加入してからの3シーズンでは、一番走り込んでいる」とのこと。沖縄キャンプでもそれは変わらず、徹底した走り込みで体を苛め抜いた。

「今年は始動した日からかなり厳しいトレーニングを課してきました。昨年の同時期に比べると、40%アップくらいの強度です。

 僕の選手時代の自分の経験からも、シーズンを通していいパフォーマンスを発揮するには、この時期に徹底して体を追い込み、ベースとなる体を作り上げておかなければいけない。シーズンが始まってしまうと、試合に向けた調整に時間を割かなければならず、フィジカル強化に特化してトレーニングをする時間がほぼ、なくなってしまうからです。

 そのことをシーズン最初のミーティングから伝え、それを選手もしっかりと受け止めてくれて、ハードなメニューにも非常にポジティブに向き合ってくれています」

 このベースづくりは、新体制会見でも三浦淳寛監督の口から聞かれた「総得点を増やし、総失点を減らす」ためのアプローチでもある。

 昨年のリーグ戦を振り返ると、総得点ではリーグ5位となる50得点を数えたヴィッセルだが、総失点ではワースト4位タイの59失点を喫している。この2つの数字を変化させなければ、今シーズンの目標に掲げる「ACL(AFCチャンピオンズリーグ)への出場権獲得」は実現できないと考えている。

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