大黒将志が語る点取り屋の極意「DFが見失うタイミングをわかっている」 (4ページ目)

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

「一流の監督のもとでプレーする機会に恵まれて、僕も監督をやりたいと思ったんです。理想は......理想はですよ、岡田さんみたいな守備をして、西野さんみたいに攻撃をする。そんな単純なものではないやろうけど、いろんな監督に教わったんで、全員から学んだことを生かして、将来は監督としてやっていきたい」

日本代表でも活躍した大黒。今後ストライカーを育てるべく指導を始める日本代表でも活躍した大黒。今後ストライカーを育てるべく指導を始める 指導者のスタートが古巣のガンバ大阪であることに、恩義を感じているという。トップチームの監督とコーチは、ともにプレーし、リーグ優勝を味わった戦友でもある。

「トップチームの監督はツネ(宮本恒靖)さんですし、GKコーチの松代(直樹)さんには、昔よくシュート練習に付き合ってもらいました。僕がユースの選手たちに頑張って教えて、その選手がトップチームで活躍すれば、ツネさんも助かるし、チームも助かる。ガンバに恩返しできたらいいですよね」

 現役時代にやり残したことについて、「もっとゴールを決めたかった」と語った大黒。今後は若き後輩たちが、その役目を引き継ぐ。

「これからはガンバの子たちに全力で教えて、その子たちがたくさんゴールを決めてくれるのが、僕の喜びになるわけです。プロに近い、ユースの選手には、僕の指導というか駆け引きが生きてくると思いますし、中学生ぐらいからそれを教えていけば、さらに深まると思う。ワインじゃないですけど、熟成していくのかなと。ジュニアユース、ユース、プロと上がるにつれて、FWとしてうまくなっていくと思うので、指導は初めてですけど、楽しみですね」

 日本では類を見ない"ストライカーコーチ"大黒の、新たな挑戦が始まった。

(後編につづく)

大黒将志
おおぐろ・まさし/1980年5月4日生まれ。大阪府出身。ガンバ大阪の育成組織で育ち、99年にトップチームに昇格。01年のコンサドーレ札幌時代を挟み、05年までG大阪でプレー。以降、グルノーブル(フランス)→トリノ(イタリア)→東京ヴェルディ→横浜FC→FC東京→横浜F・マリノス→杭州緑城(中国)→京都サンガF.C.→モンテディオ山形→栃木SCと、多数のクラブでストライカーとしてプレー。公式戦通算222ゴールを挙げた。日本代表では22試合出場5ゴール。2021年に現役引退を発表。2月から、G大阪の育成組織のコーチを務める。

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