FC東京、黄金期到来か。選手の意識を変えた長谷川監督の言葉

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「まずはオルンガ選手をフリーにさせないこと。そこに配球するクリスティアーノ選手と江坂選手も含めたこの3人がキーマンだと思っていたので、自分たちが攻めている時のリスク管理やカウンターのケアを、ジョアンと剛と自分の3人でコミュニケーションを取りながら、うまくやれたかなと思う」

 森重が振り返ったように、相手のストロングポイントを封じた緻密な対応が、FC東京に流れを引き寄せた。

 もちろん守っているだけでは、勝利を手にすることはできない。得点を奪う部分で際立ったのは、個の力だ。

 均衡を破ったのは16分。左サイドでクリアボールを拾ったレアンドロがそのままボールを持ち運び、寄せてくるDFを2人、3人とかわして右足を一閃。敵陣を切り裂いた優れた個人技が、FC東京に勝利を近づけた。

 前半終了間際に一度は同点とされるも、74分に生まれた決勝点も、個の力が光った。決めたのは、途中出場のアダイウトン。ピッチに立った直後から圧巻のスプリントを見せていたブラジル人アタッカーは、一瞬の隙を逃さずゴール前に飛び込み、届きそうもないボールをトゥキックで押し込んだ。

 いずれのゴールも、川崎のように優れた連動性があったわけではない。しかし、上積みを求めて今季獲得した柔と剛のブラジル人コンビが大舞台でその特長を存分に見せつけ、タイトル奪取の立役者となった。まさに、クラブの狙いが反映された勝利だったと言えるだろう。

◆日本のゴミ分別に苦しんだブラジル代表FW。柏でカレッカとコンビ>>

 そしてなにより、称えられるべきは長谷川健太監督の手腕である。ガンバ大阪に4つのタイトルをもたらした名将は、2018年に就任すると、右肩上がりにチーム力を高めてきた。1年目はリーグ戦で6位、そして2年目は2位。そして今回のルヴァンカップ優勝である。

 2011年の天皇杯を制して以降、中位が定位置だったチームは、この3年間で強豪クラブへの道を歩み始めている。優れたタレントはそろっているが、どこか勝負弱い......。そんなイメージが覆りつつある。2010年から在籍する森重も、その変化を感じ取っているひとりだ。

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