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FC東京、黄金期到来か。選手の意識を変えた長谷川監督の言葉

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 秋の風物詩だったルヴァンカップ決勝が、年が明けた1月4日にようやく開催された。

 覇権を争ったのは、柏レイソルとFC東京。前者はネルシーニョ監督を含む16人の陽性判定者が生まれ、ファイナル延期の当事者となってしまった。後者はACL参戦によるハードスケジュールを強いられている。

ルヴァンカップ優勝でシーズンを締めくくったFC東京ルヴァンカップ優勝でシーズンを締めくくったFC東京 コロナ禍のシーズンに苦しんだ両者の激突は、ある意味で今季を象徴するカードとなったと言えるだろう。

 リーグ戦では柏が7位、FC東京が6位と、際立った成績を残せなかった。だが今大会では、柏はグループステージを3戦全勝で突破し、プライムステージでもセレッソ大阪、横浜F・マリノスと難敵を撃破し、勝ち上がってきた。

 一方、プライムステージからの参戦となったFC東京は、準々決勝で名古屋グランパス、準決勝ではリーグ戦で圧巻の強さを示した川崎フロンターレに2−0と快勝を収めている。いずれも強豪チームを下してきたという意味では、ファイナルにふさわしいカードでもあった。

 試合の焦点は、「オルンガvsFC東京守備陣」にあっただろう。

 今季のJ1リーグで28ゴールをあげてMVPにも輝いた怪物が、カップ戦決勝の舞台でも爆発するのか。それとも、FC東京守備陣がそれを許さないのか。実際にこの攻防を制したチームが、伝統のカップを手にすることとなった。

 ハイパフォーマンスを示したのは、FC東京のCBコンビだった。渡辺剛とジョアン・オマリの2人が激しい寄せとカバーリングを交互に繰り返し、オルンガに時間と自由を与えない。空中戦でも地上戦でも互角に張り合い、規格外のストライカーを封じ込めることに成功した。

 そしてもうひとり忘れてならないのは、森重真人の存在である。アンカーの位置に入った日本屈指の守備者は、オルンガのベストパートーナーであるトップ下の江坂任を完封。出し手を機能不全に陥らせたことで、オルンガの威力を半減させたのだ。

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