「最強」川崎フロンターレにあって、一番活躍した選手は誰か? (4ページ目)

  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

第3位:DF山根視来(9ポイント)

text by Sugiyama Shigeki

 2017年、2018年のJ1リーグを連覇。3連覇を狙った昨季(2019年)、川崎フロンターレが横浜F・マリノスに勝ち点10差をつけられて4位に沈んだ理由は、右サイドに問題を抱えていたことと大きな関係があった。

 右サイドバック(SB)として2年連続Jリーグのベスト11に輝いたエウシーニョを清水エスパルスに放出。それによって発生した穴を、最後まで埋めることができなかった。

 エウシーニョがいた時は、その前で構える家長昭博が真ん中に入る奔走な動きをした結果、たとえ右サイドで数的不利な状況に陥ったとしても、なんとかなった。エウシーニョの個人的な力で、相手の左サイドの攻撃を阻止することができた。しかし昨季は、家長の動きは相変わらずだったので、川崎の右サイドはそのままウィークポイントになった。

 それが、今季は違った。右ウイングに位置する家長の、持ち場(定位置)を離れるリスキーな動きが減少したこともあるが、それ以上に、今季湘南ベルマーレから獲得した山根視来が不動の右SBとして、シーズンを通して活躍したことが大きい。

 昨季の穴はすっかり解消された。むしろ、右SB(山根)と右ウイング(家長)のコンビネーションという観点で言えば、エウシーニョがいた時代を上回っていた。攻撃はよりバラエティ豊富になった。

 今季の川崎を語る時、どの選手の存在が最も欠かせない選手だったかと言えば、右サイドの問題を解決した選手(=山根)になる。

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