遠藤保仁の存在感は磐田でも不変。絶妙プレーにチームメイトも驚いた (2ページ目)
巧みなゲームコントロールに加え、得意の直接FKからの一撃。主役を演じたベテランのプレーにもっとも驚いたのは、ピッチで戦うチームメイトだった。2014年から3シーズンを当時ドイツ・ブンデスリーガ2部だったカールスルーエSCでプレーし、この日トップ下に入った日本代表経験もある山田は、今後への大きな可能性も感じ始めている。
「(遠藤が入って)チームに落ち着きが出た。攻撃でタメができるし、前がいい動きをすればボールが出てくる。(試合後に)みんなで話したのは、自分たち前の選手がもっといい動きをすれば、もっとボールが引き出せるのではないかということ」
ベテランに期待を寄せているのはチームメイトだけではない。松本戦の1節前から指揮を執る鈴木政一新監督は、試合前日にその期待の大きさをこう口にしていた。
「高い経験値があるから、ゲームを読む力、落ち着かせる力、相手を見て攻撃する判断力やパスの精度がすごい。だから早く(周囲と)マッチしてくれればうれしい。とにかくいいパスが出てくるから、あとはそれを受けた前線がどうしっかりとコンビネーションでつないで(ゴールまで)持っていくかだと思う」
その期待に見事応えた遠藤に「初めての試合だったけど、ボールを失わないでゲームをコントロール、ラストパスの精度、すばらしいプレーが多かったと思っている」と、指揮官は期待通りのプレーぶりを絶賛した。
絶妙なプレーを連発する遠藤が、なぜカテゴリーを下げてまで移籍に至ったのか。それは、レジェンド遠藤の新しい挑戦だった。というのもG大阪では今季3度しか先発出場しておらず、さらなる出場機会を求めたところに、磐田からのオファーが届き、そのタイミングを逃したくないという強い思いから実現に至ったのだ。
「まだまだプレーで違いを生み出せるという自信もあるので、今回のチャンスを逃したくないと思った。いいモチベーションといいコンディションが維持できれば、まだまだできると思うので、期待に応えられるように頑張りたい」
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