ロシア移籍の橋本拳人が明かす「裸一貫、世界で戦いたい」と思った契機 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 代表に定着した橋本は、世界で戦う衝動を抑えられなくなった。

 呼応するように、世界中から打診が届いた。今年1月、スペインのレガネスを筆頭に、ドイツ、ベルギー、ブラジルなど7、8チームから照会があったという。そして今回のロストフ移籍に至ったのだ。

 言うまでもないが、ロシアリーグは簡単ではない。UEFA各国リーグランキングは7位。オランダ、ベルギー、トルコのリーグよりも上である。助っ人は常にプラスアルファが求められ、言葉の壁やコロナの問題などハンデは大きい。ハイリスクだ。

 しかし橋本は自らの生き方に従い、それに賭けることにした。

 2020-21シーズン、ロストフはヨーロッパリーグ出場が見込まれる(7月18日時点で5位)。ウズベキスタン代表のエースFWであるエルドル・ショムロドフをはじめ、ノルウェー、ブルガリア、フィンランドの各国代表有力選手が在籍。指揮官はかつてロシア代表、スペインリーグで活躍したバレリー・カルピンだ。

「青赤(FC東京のチームカラー)の魂を持って、世界で戦ってきます。大きくなって、また味スタに帰ってきます!」

 浦和戦後のセレモニー、橋本は涙を堪えながら言った。8月には、ロシアリーグの新シーズンが開幕する。



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