Jリーグで育ったブラジル代表。フッキが日本で最も悩まされたことは? (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

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 ところが、日本の次にプレーしたポルトで同僚だったポルトガル代表ラウル・メイレレスはこう言っている。

「私は2年間、彼とともにプレーしたが、彼を初めて見た時の私のリアクションはこうだった。『なんだこいつは? ここでなにをしてるんだ? ありえない』。それ以外の言葉は浮かばなかった」

 岡崎とメイレレスのどちらが正しいのか。たぶんどちらもフッキなのだろう。なぜなら彼は普通の物差しでは測れない選手だからだ。

 フッキの人生をひと言で表現するならば「破天荒」という言葉が一番似合う。他の選手とは一線を画すそのキャリアを見れば、一目瞭然だろう。彼には独自の価値観があり、その頭の中は本人以外にはわからない。

 フッキとはポルトガル語でハルクの意味。アメコミの主人公『超人ハルク』だ。

 フッキの父親は小さな屋台で肉を売り、その息子は肉を運ぶ手伝いをしていた。少年はとても小さかった。そして大きくて強いアニメの主人公、ハルクに憧れていた。いつも細い腕に一生懸命力コブを作って見せ、「大きくなったらハルクのように強くなるんだ」というのが口癖だった。

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