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泣き崩れた中村憲剛の姿を忘れない。
2017年の川崎は本当に勝負強かった

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

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第7回:2017年の川崎フロンターレ

 いつだったか、中村憲剛に聞いたことがある。J1で初優勝した2017年の川崎フロンターレは、自身にとってどんなチームだったかと----。

 中村は予想どおり、「ひと言で表現するのは難しい」と返答した。

中村憲剛は2017年のチームを「ひと言で表現するのは難しい」と語った中村憲剛は2017年のチームを「ひと言で表現するのは難しい」と語った その時点で川崎に加入して15年目のシーズンだっただけに、「そうだよね」とうなずいた。ただ、彼は一拍、間を置いたあと、当時を思い出すかのようにこう続けた。

「今までで一番、強かったかもしれないですね。足りないところを埋めて、勝負強さを出せたチームだった」

 3年前のことだけに、振り返るにはまだ、それほど月日は経っていないのかもしれない。それでも2017年12月2日、等々力陸上競技場で見届けた光景は、今も記憶に強く焼きついている。

 思い返せば2017年のJ1最終節を前に、首位に立っていたのは鹿島アントラーズだった。

 2位につけていた川崎との勝ち点差は2。鹿島は勝利すれば優勝が決まる状況だった。一方の川崎は、優勝するには勝利が絶対条件なうえ、鹿島の結果次第だった。

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