小林悠がどん底だった2012年。「1年で5年分」成長したきっかけの言葉 (7ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


「それまでは正直、早く練習終わらないかなって思っていたんですけど、そんなやつが1日1回もミスしない選手になりたいって思うようになるんだから、不思議ですよね。姿勢が違うだけで、スキルアップしていくスピードもまったく違った。

 風間さんに『どんなに悪いパスであろうが、自分がボールに触れたのであれば、それを処理できなかったら自分のミスだ』って言われたことがあるんです。これは今も好きな言葉で、それを聞いてサッカーの感覚が一気に変わりました」

 2016年7月17日、アウェーで行なわれたJ1リーグ2ndステージ第4節のジュビロ磐田戦だった。0−1で迎えた64分、大島僚太の縦パスに合わせてDFの裏へと走り込んだ小林は、左足で華麗にトラップしてみせると、次の瞬間、右足でGKの頭上を越える同点弾を決めてみせた。

「以前までの自分だったら、DFに寄せられていたので、そのままシュートを打っていたと思うんですよね。でも、DFとGKの位置を見たら、ピタっとボールを止めることさえできれば、より確実にゴールを決められるなって思ったんです。

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