「一生負け犬になる」かどうかの最終節。
西澤明訓が放った強烈な輝き

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO


 そうしたスタイルにおいて、ストライカーである西澤には相当なストレスがかかっていたのは想像に難くない。多くの時間を守備に割く戦いは、面白いものではなかっただろう。

 それでも、西澤はそのスタイルを受け入れ、役割を全うした。前線から献身的に守備を行ない、少ないチャンスを確実にモノにして、多くの勝利をもたらした。波がなく、コンスタントな働きを見せた西澤こそが、躍進の牽引車だったのだ。

 決戦前日、西澤はこんなことを言っていた。

「モリシは今まで(天皇杯も含め)4回優勝のチャンスを逃してきた。さすがに5回も負けたらかわいそう。僕は3回目。ここできっちり勝っておかないと、一生負け犬になると思う」

 負の歴史を覆すべく、盟友のためにも並々ならぬ決意を胸に、西澤はFC東京との決戦に臨んでいた。

 開始3分、打点の高いヘッドで先制ゴールを生み出すと、同点とされて迎えた後半立ち上がりにも、こぼれ球に反応し、豪快な一撃を叩き込む。

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