大久保嘉人が驚異の大暴れ。
ストライカーの本性がフロンターレで覚醒
無料会員限定記事
1993年〜2019年Jリーグ
『私のMVP』〜あの年の彼が一番輝いていた
第4回:2013年の大久保嘉人(川崎フロンターレ/FW)
2013年シーズンに大久保嘉人が川崎フロンターレに加入した時、果たして活躍できるのか、疑問だった。
ヴィッセル神戸でプレーした前年はリーグ戦26試合に出場して、わずか4ゴールしか奪えていない。おまけにこの年、神戸はJ2に降格し、大久保自身も構想外の状態で神戸を離れることになったからだ。
大久保嘉人は2013年から3年連続で得点王に輝いた しかも、川崎を率いる風間八宏監督のスタイルは「相手の背中を取れ」「相手の矢印を利用しろ」「目を揃えろ」などと独特だから、野性的なところのある大久保が果たして理解できるのか。そんな疑念も抱いていた。
洗足学園音楽大学で行なわれた新体制発表会後の囲み取材では、大久保が日本代表時代に発していたすごみやオーラのようなものも感じられなかった。
だが、その後すぐにわかるようになる。あれはただ、関東のチームへ移籍するのが初めてだから、ちょっと緊張していただけだったということに。
1 / 6