川崎Fがシステム変更も上々の成果。ガツガツいった若手FWも「買い」だ (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio2

 今季の川崎には、ともにU-23日本代表に名を連ねるMF三笘薫(筑波大→)、FW旗手怜央(順天堂大→)といった大卒ルーキーも加わっている。即戦力という意味では、本来、彼らのほうが宮代よりも期待値は上かもしれない。にもかかわらず、宮代に注目するのは、なぜか。

 それは、宮代がストライカーであるからだ。

 中村、家長のほか、長谷川、MF脇坂泰斗、MF齋藤学ら、川崎に前線のタレントが多いことはすでに記したとおりだが、三笘や旗手も含め、彼らのほとんどがチャンスメイカータイプ。昨季まで貴重なジョーカー役を担ったFW知念慶が大分トリニータへ移籍した今季、本当の意味での点取り屋、すなわちストライカータイプと言えるのは、レアンドロ・ダミアンと小林くらいだ。

 しかし、宮代は生粋のストライカー。しかも、この20歳のFWは年代別日本代表として、すでにU-17、U-20とふたつのワールドカップに出場し、いずれの大会でもゴールを記録している。そんな大舞台での勝負強さも"買い"の理由である。

 川崎のアカデミー(育成組織)からトップチームに昇格した宮代は昨季、ベンチには入るものの、なかなか出場機会を得られないまま、夏にレノファ山口へ期限付き移籍。J2で19試合出場2得点の実戦経験を重ね、今季、古巣へと復帰した。そんな地元育ちの点取り屋が、ベテラン中心のポジション争いに割って入るようなら、数のうえだけでなく、質のうえでもチーム力は底上げされる。

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