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高校サッカー連覇へ。青森山田に
時間を操る「パウサ」の使い手がいる (3ページ目)

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • 高橋 学●写真 photo by Takahashi Manabu

 松木が積極的に攻め上がり、得点に絡む姿を横目に、古宿は「ゴール前に行きたい、点を取りたい気持ちはありますけど、チームのために黒子になって、バランスを取るのが自分の仕事。点も取りたいですけど、チャンスメイクができればいい」と、フォア・ザ・チームの姿勢を崩さない。

 横浜FCジュニアユースからユースへの昇格を絶たれ、「プロになりたい、強くなりたい」という想いで、青森山田を選んだ。そして、中学卒業時に袖にされた横浜FCから再度ラブコールを受け、加入が決まった。

「強いチームに入れば、プロからも注目される。山田に入って、正解だったと思う」

 15歳時の決断を、自らの努力で正解に変えてきた。狙うは高円宮杯プレミアリーグに続く2冠。そして大会連覇である。決勝に向けて、武器は温存している。それがプレースキックだ。練習では、フリーキックを何本も決めている。

「決勝は高校年代最後の試合です。まだ1本もフリーキックを決めたことがないので、狙っていきたい。いざとなったときに決められるように、しっかりと準備しています」

 武田の華のあるプレーもいい。松木の負けん気の強いプレーもすばらしい。だが、彼らに注意を向けていると、背番号6が決定的な仕事をする。古宿のパウサとキックが、青森山田に連覇をもたらす。

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