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今季リーグ戦出場ゼロの選手が、
ひそかに永井秀樹ヴェルディ再建を支える (2ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 J2降格、J1昇格、J2再降格、そして、J2が定位置になった現在のヴェルディまでの流れまでを知る、クラブの生き字引的存在の選手だ。また永井についても、20代、30代そして選手から監督になった40代の現在に至るまで見続けていた。

 永井と最初に知り合ったのは2001シーズンで、当時は雲の上の存在で話しかけることはできなかったと振り返る。永井以外にも、名門復活を目指して武田修宏、菊池新吉といった黄金期のメンバーから、小倉隆史、前園真聖、三浦淳宏といった実績ある選手を大量補強したシーズンだった。技術はもちろん、強烈な個性を持った選手ばかりで、練習は常に緊張と隣り合わせだったそうだ。

「若い選手は、ベテランのいるロッカーには怖くて入れませんでした。お風呂もみんなが帰ってから、誰もいないことを確認してから入っていました。上下関係が激しいというか。いまの若い選手は誰でも普通にマッサージを受けられますけど、自分たちが若い頃は、マッサージなんて受けさせてもらえなかったので、自分でケアするしかなかった。お風呂に入って疲れをとる、みたいな」

 ようやく話せるようになったのは移籍先のFC東京から戻った2007シーズンからだった。永井は前年、J1復帰を目指すラモス監督に招聘されヴェルディに復帰していた。先発出場は少ないものの勝負どころで起用され、試合を落ち着かせたり、流れを変えたりと、短い時間で仕事をやってのける職人的なすごさがあったという。

 柴崎は、永井の愛弟子である富澤清太郎と親しかったこともあり、いつの頃からか食事に連れて行ってもらうようになった。師匠と弟子のような関係が始まって10年以上、いまでは選手会長も任されている柴崎を、永井も口にはしないが頼りにしていた。

 永井がトップの監督なったことについて柴崎はどう受け止めているのか。

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