2019.11.25

最強・仲川輝人。優勝争う3チームで
随一の決め手を持つ横浜FMが奪首

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 横浜F・マリノスが、ついに首位を捉えた。

 J1第32節、前節終了時点で首位に立っていたFC東京が、湘南ベルマーレと1-1で引き分け。その一方で、2位の横浜FMは、松本山雅に1-0で勝利した。

 この結果、勝ち点3を手にした横浜FM(勝ち点64)は、勝ち点1を加えるにとどまったFC東京(勝ち点63)をかわし、今季初めて首位に立った。

仲川輝人(中央)のゴールで勝利した横浜F・マリノス「すばらしい試合だった」

 横浜FMを率いるアンジェ・ポステコグルー監督が口にした賛辞は、大袈裟でも何でもない。横浜FMは終始ボールを支配して試合を進め、ボールを失っても、素早い守備への切り替えと力強いプレスで、すぐにボールを奪い返した。松本に攻撃らしい攻撃をさせない理想的な試合展開を振り返り、ボランチのMF扇原貴宏が語る。

「(相手を敵陣に)押し込めていたし、(選手同士の)距離感もいいので、ボールを失う場所がよかった。(攻撃から守備へ)切り替えやすかった」

 松本の反町康治監督も、「(選手は)最後までファイティングポーズをとってやってくれた」と選手を称えつつ、「だが、最終的にゴール近くまでいける回数が多かったかというと、そうではなかった」と、完敗を認めるしかなかった。J1優勝を争うチームと、J2降格を免れることに必死なチームとの間に、埋めがたい力の差があったのは間違いない。

 しかしながら、実力差がそのままスコアに表れるとは限らないのが、サッカーの面白さであり、怖さである。

 シーズン終盤まで優勝を争うほどのチームであれば、下位チーム相手に互角以上の内容で試合を進めること自体、それほど難しいことではないだろう。だが、最終的に勝利を手にできるかどうかは、また別の話だ。

 事実、FC東京は、J2降格がちらつく湘南を相手に得点が奪えず、苦しんだ。終了間際の同点ゴールでどうにか追いついたが、勝ち点1を確保するのが精いっぱいだった。

 また、3位につける鹿島アントラーズにしても、サンフレッチェ広島から1点が奪えず、スコアレスドローに終わっている。

 勝ち切るためには、ゴールが必要。さりとて、優勝争いのプレッシャーがかかる試合で、ゴールするのはたやすいことではない。いかに優勢に試合を進めようとも、決め手に欠ければ、勝利を手にすることはできない。